建設業向けガイド

【2026年版】建設業の見積書
の作り方・書き方

工事名・工種・法定福利費まで。工務店・リフォーム会社・一人親方の実務に直結する完全ガイド。

1. 建設業の見積書の特徴

建設業の見積書は、一般的な物販やサービスの見積書と異なり、工事内容を大項目→中項目→小項目と階層で整理する「内訳明細書」形式が基本です。工事名・工事場所・工期の記載、材料費と労務費の分離、そして法定福利費の明示が必須級の慣習となっています。

一般見積書との違い
  • 工事名・工事場所・工期を必ず明記
  • 階層構造(仮設工事・基礎工事・躯体工事…)で整理
  • 材料費と労務費を分けて記載
  • 法定福利費を明示(2013年以降の業界ルール)
  • 諸経費(現場管理費・一般管理費)を別計上

2. 記載すべき項目(建設業標準)

① 見積番号・発行日・有効期限

建設業では材料価格の変動が激しいため、有効期限は2週間〜3週間が一般的です。

② 工事名・工事場所

「〇〇様邸 新築工事」「△△ビル改修工事」など具体的に。工事場所(住所)も明記します。

③ 工期(着工〜完工予定日)

着工予定日と完工予定日を記載。天候や施主都合で変動する可能性を備考に記載しておくと安全です。

④ 明細(階層式)

「直接工事費」を工種ごとに分解し、さらに各工種を材料費・労務費・外注費に分けます。

⑤ 諸経費

現場管理費(一般的に直接工事費の5〜10%)と一般管理費(同5〜15%)を別項目で計上します。

⑥ 法定福利費

社会保険料の事業主負担分を明示。国交省の標準見積書様式では独立項目として計上します。

⑦ 見積条件・備考

支払条件(着手金・中間金・完工金の比率)、追加工事の取扱、瑕疵担保期間などを記載します。

3. 階層式見積の組み方

木造新築の場合、典型的には以下のように階層を組みます。

階層構造の例(新築工事)
  • 1. 仮設工事(仮設足場・養生)
  • 2. 基礎工事(掘削・配筋・コンクリート打設)
  • 3. 木工事(土台・柱・梁・造作)
  • 4. 屋根工事(下地・防水・仕上)
  • 5. 外装工事(サイディング・軒天・樋)
  • 6. 内装工事(ボード・クロス・床仕上)
  • 7. 設備工事(電気・給排水・ガス)
  • 8. 外構工事(アプローチ・駐車場・フェンス)

各階層の下に、品名・規格・数量・単位・単価・金額を並べます。「一式」でまとめると施主の信頼を得にくいため、できるだけ細かく分解するのが基本です。

4. 法定福利費の計算と記載

法定福利費は、労務費に対して概ね以下の率を掛けて算出します(2026年時点・地域や業態で変動)。

主な保険料率(事業主負担分の目安)
  • 健康保険:約5.0%(協会けんぽ・東京都)
  • 厚生年金:9.15%
  • 雇用保険:0.95%(建設業)
  • 労災保険:建設業の場合、工事の種類で変動(概ね0.9〜8.8%)
  • 子ども・子育て拠出金:0.36%

国交省の標準見積書様式では、これらを合算した額を「法定福利費」として独立項目で表示することが推奨されています。セイQでは労務費欄に料率を設定すると自動で法定福利費を算出します。

5. 値引き・原価・利益率の考え方

  • 原価を把握する:材料費・労務費・外注費・経費の合計を正確に出してから粗利を乗せる
  • 粗利率は工種で変える:仮設・軽作業は高め、大型躯体は低めに設定するのが一般的
  • 値引きは「調整額」として別枠で:単価を崩すと後工程に波及するため、合計段階で一括調整する
  • 追加工事の料金体系を先に明記:設計変更・施主都合変更時の精算ルールを備考へ
  • 複数業者の相見積比較時に強いのは「分かりやすさ」:階層式+写真+仕様書の添付が差別化要因

6. Excelより楽な見積アプリ

Excelテンプレートは汎用性が高い反面、階層構造の編集、法定福利費の自動計算、見積→請求の連携が手作業になりがちです。建設業特化の見積アプリを使うと、この手間が一気に減ります。

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